京都の町屋的な古民家で暮らす大学院生歌仙と居候の青江のSF(すこしふしぎ)な現代パラレル。
特に山も落ちも無い、一話完結型の穏やかな話を淡々と書きたかった。


メインキャラ
兼定歌仙:
大卒→社会人5年→大学院(国文学専攻、専門は中古物語文学)。
雅に夢見る文学青年。創作者ではなく編集者や評論家を志し文学研究の道を歩もうとするも家柄・世帯収入ともに中の下では大学院に進むこともままならず、一度社会人として働き貯金して上京、大学院を受験した。社会人時代の貯金を切り崩しつつ、アルバイトと奨学金で再びの学生生活を満喫している。
アルバイトは大学図書館の司書兼雑用と観光客向けタウン誌のコラム書き。町の季節の行事や風物に触れるエッセイで大変やりがいを感じている。

青江貞次:
高卒フリーター。変なのに好かれやすい。
四国の良い家のお坊ちゃん。エリートコースを歩むかに思えたが、幼い頃から変なものが見えたり聞こえたり絡まれたりするうちにクラスメイトから孤立。家庭教師を付けられたため勉強は良くできるが集団に帰属することができなくなり遂に高校でドロップアウト。温情で卒業はさせて貰えたが特に未来への展望もなく、ヒッチハイクで日本一周とかしてるうちになんとなく行き倒れ、歌仙の下宿に拾われる。居候代を払うために色々と変なバイトを始めた。


周辺キャラ
兼定和泉:歌仙の弟。高校生。なんかもうめっちゃ高校生って感じ。
青江恒次:青江の兄。東洋思想の研究者。学者一家の青江さんちでも白眉の存在。青江は一方的に苦手意識を持っているが、彼は物凄く青江のことを心配している。
長谷部国重:歌仙と同じ大学の神学部大学院生。人生に迷っている。
長船光忠:青江のバイト先の何らかの飲食店の店長。半端ない雨男。
左文字三兄弟:歌仙宅の最寄の寺の息子たち。長男の江雪と恒次は大学の先輩後輩。次男の宗三と国重と光忠は中高のクラスメイト。三男の小夜は可愛い。
三条宗近:家主。たまに合鍵使って勝手に入ってお茶飲んでる。

ゲスト妖怪のみなさん
春日山の鬼、花山の狐、鞍馬の小天狗、五条入道、貴船の龍、嵐山の鬼と蛇 など あと獅子王とか鶯丸とか


考えてたこと
・兄者の登場シーン
バイト帰りの青江。大きな駅で乗り換えのため改札に急ぐと、真っ白な髪の綺麗な男性が何やら声を張り上げている。
「へびをしりませんかー」
あっこれはヤバいやつだ。関わったらあかんやつだ。
「だれかあー。へびをしりませんかー」
足元だけを見ながら通り過ぎようとする。が、不思議と視線が上がってしまう。男性が青江をガン見している。がっちり視線が合う。
「へびをしりませんか」
青江、詰む。
数日前、突然の寒波が来た日。歌仙が家の前で小さな蛇を見付ける。虫とか爬虫類とかダメな歌仙、青江にどこか遠くへ捨ててくるよう懇願するが、青江は逆にそういうの大好きなので、こっそり自分の部屋に匿っていた。
きっとあの蛇だろうなあと回想する青江に、そうその子だよ、と白い男。頭の中を見られている。君が助けてくれたんだねえ有難う、と男は勝手に付いてきた…
→嵐山の蛇と鬼
春を待つ兄者を驚かせるため、早咲きの梅の枝を取りに山を降りたお膝。寒波に負けてうっかり行き倒れ、青江に拾われる。
縄張りの山を長いこと離れたせいで魔力的なアレが枯渇しており、最初はみみずサイズにまで縮んでいたが、歌仙の下宿は良いセーブポイントだったのでどんどん回復。しめ縄のように巨大化したあたりで再び人型が取れるようになる。
→落ち
最後は丁寧にお礼を言ってふたりで山へ帰っていく。居候期間中、歌仙の苦しい経済状況を聞いていたので、こっそりお膝は自分の抜け殻(尻尾の先だけ)を箪笥に仕舞ってきた。そのお陰で歌仙にはタウン誌の仕事が舞い込み、青江は変なバイトに不自由しなくなった。
「何度も脱皮したんだから、全身分あげればよかったのに」
「人間にそれは重すぎる。尾の先程度がちょうど良い」
感謝も憾みもフルパワーの兄者と、ほどほどを知るお膝の感性の違い

・雨男光忠
青江のバイト先の店長光忠。昼は喫茶店で夜はバー。あまりにモテ過ぎて人道的な生活が送れず、水商売の世界に入らざるを得なかった苦労人。
涙なしには語れない半生の落ちを「なんで夜のお仕事のこと水商売って言うんだろうね! まあ僕は雨男だけどさ!」で締めるのが光忠の鉄板ネタ。
確かに光忠が何かするときは必ず雨が降るが、青江の目には屋内だろうが何だろうが、常に光忠の周囲だけ霧雨が舞っているように見えている。
→貴船の龍
光忠の七十七代前の先祖の娘と龍は恋仲だったが、人と神とが結ばれることはなかった。優しい娘は家族を悲しませることができなかった。
遠くへの嫁入りが決まった娘は、私が七度生まれ変わり七十七代血を重ねるその時まであなたが生きていたならば、今度こそ何があってもあなたと添い遂げると誓って姿を消した。
龍はそれから千年待ち続け、ようやく約束を叶える時を迎えたのである――!!!
→落ち
龍は物凄く我慢強く優しく穏やかな性質だったので、約束の生まれ変わりがイケメンモテ男だった時点で「諦めてあげた方が良いなあ」と思っていた。
でも、そもそも光忠が異常にモテるのは自分の加護がめちゃくちゃ強いせいなので、勝手にほっぽりだすのも気が引けた。
だからいつも心配しつつ見守っていた=光忠の周りはいつも雨。
ここはどうにか平和的に縁を切ることで、龍も光忠も自由に生きられるのでは?とみんなが色々する過程で、初めて光忠は自分に憑いていた竜神様を肉眼で見る。
赤い実はじける


お蔵入りの理由
石切さんを妖怪にするか人間にするか考えているうちにジャンル移動してしまった
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