FGO、好きなサーヴァントは沢山居るのですが、「推し」となるとベディ、王様、燕青くんに落ち着きそうです。
当方夢の素養がありませんので、付き合いたいとか看取ってほしいとかそういう欲求は無いのですが、万が一彼らに干渉するのなら、ただひたすら寝顔を見守りたい、彼らが安らかに眠れるよう最善を尽くしたい、そういう感情が「推し」です。
まず、適度に空調の効いた静かな部屋を用意します。分厚い遮光カーテンと空気清浄/加湿器を備え、人通りの激しい通路からは離れているとなお良い。
ベッドはキングサイズ、なんかスポーツ選手とかが使うめっちゃ良い敷布団と適度な重みのあるふわっふわの掛け布団。
最初に連れてくるのは王様。慢性的な疲労のせいで、一度熟睡したら一番眠りが深そうだからです。あと、巨大なベッドのど真ん中で寝ることに躊躇いが無さそうだから。
お風呂上りの王様にはめぐりズム系のアイマスクと湯たんぽを支給します。一時間半で起こせ、アラームを掛けろ、という指示には従った振りだけしておきます。あらかじめ快眠効果のあるサプリとかを献上しておいてもいいかもしれない。王様への感謝を雑種なりに精一杯表したい、という目的を明確に伝えれば嫌とは言わないと思います。
王様が寝入ったところで、ベディです。ベディにはぜひマッサージを受けて欲しい。やっぱり左右で腕の重さが違うって筋肉が凝ると思うんですよね。お風呂に入る前にベディから銀の腕を受け取り、ついでにマーリンにメンテをさせつつ、湯上りのベディは腕の良いマッサージ師に託したいと思います。いい感じに全身ほぐれたベディにブランデー入りのホットミルクなど提供し、頭がふわふわになったあたりで王様の隣へご案内したい。ちょっと抵抗されるかもしれませんが、ラベンダーのポプリなど枕元に置けばじきに眠気に屈してくれると思います。
最後に燕青君。彼が一番難しい、というのが前の二人と違って肉体的な問題を抱えていないうえ、めちゃくちゃ眠りが浅そうだからです。彼の場合は精神面から攻めなければなりません。とりあえずお風呂上りの彼に凄い肌触りの良いコットン地のパジャマを着せ、長い髪の毛を乾かすのを手伝い、洗い流さないトリートメントを塗ったり櫛で梳かしたりしながら、「君が居てくれて嬉しいよ」「君の代わりは誰も居ないんだよ」「他の誰かじゃなくて君だから良いんだよ」を一万回くらい吹き込めば、彼は照れ隠しに酒へ逃げるでしょう。それを止めず、更に「いつもありがとう」「すごく助かってる」「これからも宜しく」を追加すれば、ほどなく彼の自我はふにゃふにゃになると見ました。すかさず王様の隣へ放り込み、寝付くまで肩なり胸なりをぽんぽんします。
これでようやく、取り返しのつかない物を失くした記憶に囚われていて、目的のために自分を踏台にすることを厭わない、困り眉の笑顔が似合う強くて弱くてとても優しい男が三人並んでお行儀よく寝息を立てている、という奇跡のような状況が生まれたわけです。は? 尊すぎない?
もう私にできることは、小まめに部屋の温度と湿度を調節し、西に暑そうに寝返りを打つ王様があれば行って湯たんぽを回収し、東にうなされる燕青があれば行ってぽんぽんを再開し、北にあまりにも静かなベディが居れば行って寝息を確認し、南の通路が朝の喧噪に包まれれば行って非常線を張るなどするだけです。目指せ良質な十時間睡眠。
やがて誰からともなく目を覚まし、隣になんか寝とる…誰や…ああ〇〇…ならいいか…みたいな胡乱な時間があり(ベディ・王様・燕青は別に仲が良いわけではないですが隣に寝ていることを嫌がるようなアレでもないと思う、全員が全員を割と高水準で評価しているというか一定の信頼感があるというか)、物凄く寝てしまいました…いま何時だ…時計ねえなこの部屋…みたいなぐだぐだタイムがあり、そういう間延びした時間までをも私は慈しみたいんだよ、分かるかい
推しの眠りを守りたい、それだけです