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あの頃のTwitterはこの映画の評判、感想、プレゼンで溢れていました。
それでも私は観に行きませんでした。
そして今日、私は、あのとき観ないと決めた映画を独りで観てきました──

これから私は2016年公開の映画、劇場版名探偵コナン~純黒の悪夢~をまだ観ていない方のために記事を書きます。ひとことで言えば「観ろ」、これだけで終わるのですが、到底気持ちが伝わらないと思いますので言葉を尽くします。
なぜこの映画を観るべきなのか、についてはもう、SNSを駆使する腐女子なら語るに落ちる話題でしょう。ですから話は「なぜ私たちはこの映画が公開されたとき劇場に観に行かなかったのか?」この分析からです。

私たちの人間性に起因する要件
1) 映画館が苦手
≒ 見知らぬ他人と近い距離で・自由な姿勢やリアクションを取ることもできず・大音量のなか長時間拘束されるのが苦手
2) 映画を観る習慣が無い
そのため映画を観に行くことに、遊園地へ行くのと同程度の精神的ハードルがある
3) 要件1),2)の結果、観に行く映画は「観るべき理由がある(好きな漫画アニメ等の劇場版)」か「絶対に観に行って後悔しない、観ないと損をすると確信できる」映画に限られる
= 2年前はそこまでの強い義務感を覚えなかった

私たちのオタク性に起因する要件
1) 趣味に対する完璧主義
原作をよく知らないのに腐女子の間で流行っているからと言って観に行く気になれないし、観に行くならきちんと設定やキャラクターを把握しておかないと理解できず意味が無い → 原作何巻出てんのよ無理
2) 一点集中型思考回路
ひとつの物に嵌まるとそれ以外のことを考えたくない。いま何かに嵌まっていて楽しい状態なら、そこに雑音を混ぜるようなことをしたくない。→ 今はメインジャンルが楽しいからそれ以外のことに時間を割きたくない
3) 現状維持を望む保守性
万が一このカプに嵌まってしまったら、この書きかけの原稿はどうなる? pixivに前編だけ上げた話の続きは? もう次のイベントまで申し込んでるのに今ジャンル移動するわけにはいかない

公開された当初、私が劇場に足を運ばなかった理由は大きく分けて以上6点です。「自分は全く当てはまらない」という人は、2年前にSNSに触れていなかっただけだと思いますので今すぐ最寄りの劇場を探し座席を予約してください。あなたがこの映画を観ない理由は無い。これ以降は「割りと当てはまった/凄い当てはまった」という方に向けて書きます。


まず、人間性に起因する要件の方が当てはまって観に行かなかった方。
こればっかりはねーーーいかんともし難いですよね! やだよね他人に会うのね! 見られてもいい格好をして沢山人が集まる場所に行くだけで億劫だよね! 他人の目があるとそれだけでストレスだし、その状況で楽しいものを観るって逆に苦痛だったりするよね! 現実はやり過ごす方向性で生きてるのに何で楽しい趣味を他人と共有しなきゃいけないの!?

これはしょうがない! 素の顔を見せられるお友だちに隣に座って貰えれば多少は緩和するけど、STEP1! 人体錬成! ってなる方も多いでしょうこの手のタイプは。まあ6時間前に初純黒キメてきた身としては「TSUTAYAで借りて家で観て!」っていいたいけど、そこまでの興味があればとっくに観てるよなーーーまあTSUTAYAに行く用事があったらふと思い出してください。そしてご自宅の床で思う存分転げ回りTwitterに「やべえシャブをキメてしまった」と書き込んでください。


さて、オタク性に起因する要件が当てはまって観に行かなかった方。
これは予想ですが、割りと皆さん自分がどんなものに嵌まるか・どんなカプに落ちるか、自分の嗜好の傾向をハッキリと把握してるんじゃないでしようか。だから2年前、腐女子界隈の社会現象のようにこの映画と赤安のプレゼンが回りまくったとき、思ったはずです。
「やべえな」と。
「迂闊に手を出したら後に引けなくなるぞ」と。
これまでにもその慎重さで数々の石橋を叩き壊してきた私たち。あのときも、自分の今現在の萌えを守るために純黒という名の石橋を叩き落としたわけです。自分の信仰も自分の原稿も自分の居場所も守れるのは自分だけですからね、私だってあの頃の判断に悔いはありませんので、「公開されたときに見とけば良かった」なんてこれっぽっちも思ってません。あのとき流行りに乗らなかったお陰で予定通りに出せた本やきちんと最後まで書けた話があります。

でもな、純黒さんはもう一回橋を掛けて下さったんだよ。
凄い勢いでガタガタ揺れて水とか風とか出る橋を。

オタクの人生はジャンルとの一期一会で出来ています。何でもフットワーク軽く吸収し、軽やかに取捨選択ができるオタクも居る一方、これと決めたら脇目も振らず意識の全てを一ヶ所に集中させるオタクも居ます。優劣ではなく性格の話ですが、どうしても後者は前者に比べ、触れられる作品の数が少なくならざるを得ません。私には「きっと読めば/観ればドン嵌まりするんだろうなあ」と思いながら、その時のオタク活動状況的に手を出せず見送った作品が、どう少なく勘定しても4つはあります。
だからと言って、「よし今は脳と予定に空きがあるからあの時見送ったアレに嵌まってみよう」とはしづらいものです。だいたいそういうことって主観的には判断が難しいですし、回りの雰囲気やタイミングも良いには越したことがありません。世間の雰囲気的に「過去の作品」扱いされるものに嵌まると非常に寂しい思いをします。

でもな、純黒さんはご自分から来て下さったんだよ。
まだ見ぬ腐女子を掬い上げるために。

先ほど私は「オタクの人生は一期一会」と言いました。これはまさかのtake2、否、ラストチャンスかもしれません。これを逃せば映画館の大画面でじゃれあう顔の良い男たちを観る機会は無いでしょう。原作読んでないって? なんとなく分かる。「なんとなく分かった」で終わらせるもよし、「ちゃんと知りたい」で原作を読めばあなたのジャンルの幅が広がる。それでいいじゃないか。
せっかくこの時代を腐女子として生きてるんだ、あの時目を背けた輝きに手を伸ばしてみようぜ。来週締め切り? まだジャンル移動したくない? 分かるよーその気持ちめっちゃ分かる、でもさ、二回も会いに来てくれた人を追い返すのもどうかなって感じしない? 顔くらい見といてもよくない? それにさ…究極…移動しちゃってもよくない??? なんかね、縛りプレイでオタクやってるとそのうち疲れるよ! マジで興味が無いなら全く観る必要なんてないけど、興味があるのに無視しようとするのは良くない。観よう。せっかくやってるんだから。

慎重で保守的で意固地な腐女子への誘い文句としては、「いま観ておけば楽しいぞ」もあります。私が赤安を見始めて半年くらいですが、定期的に供給があり、春公開の新作映画は安室が主演するみたいです。だからきっとリバイバル上映やってるんだね。つまり今は公式が安室(と赤井)を推している状態なわけです。これがどれだけ潤った状態か、きっと皆さん分かるでしょう。幸い今は休載中、もしその気になったなら原作を履修する時間だってあります。

私が観に行った映画館では、確定で上映するのは今週末まで、おそらく来週も上映すると思う、その後は未定、とのことでした。映画って公開終了日が決まってないんですね。ふだん映画観ないんでそんなことも知りませんでした。
もうあまり時間が無い! 走って! 2016年の腐女子界を席巻した強くて顔と声の良い男同士の愛憎渦巻く因縁の観覧車デートをその目に焼き付けて!!!!!!!!





ところで私とオタク的な方向性が合っちゃった人、この考え方?気持ちの持ち方?あんまり心の健康に良くないと思う! というか、思ったんだ私はこの半年くらいで!
この「完璧主義」ってのが曲者で、別に強いられてやってるわけじゃないんですよ。自分が気持ちいいの。公式にきちんとお金を払い、最新の情報を把握し、マストアイテムは全て入手し、"界隈"の動向に目を配って皆と盛り上がりを共有する。
同人活動をお目こぼしして貰っている理由は「原作への愛情表現だから」じゃないですか。私にとって愛情表現の分かりやすい形が「完璧に原作を追う」ことなんですよね。それが結果的には「私はここに居ていいんだ」的な肯定心につながるわけです。

私はグッズ系をあまりマストアイテムと認識していないので、推しのぬいぐるみや缶バッヂなどを大量に収集することはなかったのですが、たぶんそれは99%の確率で手に入らない推しキャラを手に入れるためのギャンブルに大金を注ぎ込む気持ちと似通っているんではないでしょうか? 私の愛はこれだけ深いのだと形にして表したい! 愛ゆえに狂っているのだと自分を正当化したい!
でもねえこの「完璧主義」、メッチャクチャ疲れるんですよね!
原作にずっぽり嵌まってるときは脳内麻薬が出てるから疲れも快感になるんです。でも何かでふっと気持ちが落ち着くと、その途端に「もう無理…」となってしまう。そして全てから手を引いてしまう。中途半端は嫌なんですよ完璧主義なのでね!!!(ヤケクソ)


こういう、何だろうオタク心の焼き畑農業? みたいなの続けてると確実に心が磨り減ります。そして磨り減り方は年々、加速度的に増えていきます。キーワードは老いです。遂に半年前、私は「もういいかな…」と思いました。もうオタクで居ることに疲れたな…と。でもオタクって趣味じゃなくて性格じゃないですか。辞めることはできないんですよ。
それで私がどうしたかというと、自分から興味の対象を無理矢理増やしたんです。具体的には、途中まで集めて放置していた漫画を最新刊まで揃え、ちょっと興味のあったゲームをインストールし、新しいジャンルの二次創作を読み始めました。常に意識したのは「本気にならない」。漫画は深い考察とかはつとめてしないようにして、ゲームは連続ログインとか知ったこっちゃねえ感じで、二次創作は原作もろくに読んでいません。あ、この二次創作ってのが赤安ね。

これが功を奏して、今はいい感じにどのジャンルにも執着せずに済んでいる気がします。今まで執着心をエネルギーに変えて二次創作をしてきたので、私はもう何も書かなくなるかもなあと思っていますが、それはそれでいいかな、とも。少なくとも泣きながら給料をガチャという名のギャンブルに注ぎ込んだ時よりは真っ当な精神状態をしているはずです。
自分がオタクであることに疲れた(しかしオタクは辞められない)期の心を支えてくれた赤安の二人とその二次創作には本当に感謝しています。感謝を今回チケット代として払えて良かった。私が二次創作の生産者に回るなら原作を揃えるのは必須だと思っていますが、赤安に関しては一切のストレスを感じたくないので、幸せな消費者で居たいと思っています。
2018/02/15(木) 20:46 DC PERMALINK COM(0)
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