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ペンは剣よりヒプノシスマイク
数か月前からチラホラTLで見掛けるようになった謎フレーズ。また何か変な(語弊)ジャンルが爆誕したんだろうなあと思っていたら、審美眼?価値観?を信用しているインターネッツ有名マンの方が激推しされていたので軽率に触ってみました。
感想としては、まだ始まったばかりのコンテンツだから今後の展開が予想も付かないんだけど、それを加味してもハチャメチャ加減が面白いなあという感じ。
作品名が『ヒプノシスマイク』。原作はラノベでも漫画でもアニメでもゲームでもなく、楽曲(CD)。
音楽レーベルのキングレコードが、ヒップホップ文化の拡大・女性リスナーの獲得を計り、ついでにガッツリCD売ったるで~という野望のもと仕掛けた企画のようです。キャラデザが乙女ゲーの会社のようで、そこんところも上手。
昨年の秋に始まったばかりなので、今のところ原作であるCDが6枚しか出ていません。現時点でそのうち七割はyoutubeで、九割はアマゾンプライム等で聴けます。アマプラ入ってる人、チャンスです。
近未来、もしくは別宇宙の日本はバチボコ女尊男卑社会であり、女性が全てにおいて実権を握っています。
東京の千代田区的な場所(多分もっと広い)が高い壁で仕切られた女性専用特区のようになっていて、重要機関は全てそこに集まっている? ハイクラス女性はそこに住んでいる? そんで、その特区に住めない女性と全ての男性が壁の外で日夜領土争いをしている? そんな感じの世界観です。めーっちゃふわーっとしてます。
その世界ではすべての武力が放棄されています。武器と軍隊が存在しない。それじゃあどうやって領土争いするかっていうと、ここでヒプノシスマイクの登場です。
ヒプノシスマイクを通すと、言葉という音に物凄い精神干渉力が生まれまして、要するに相手のメンタルを物理で殴るような真似ができるんですね。で、より攻撃的かつ効果的に言葉をぶつける手段がラップなわけです。
これもはや第二の武力やん、というのは突っ込んではいけないんだと思います。「非合法なマイク」みたいな台詞も出てくることから、恐らくこの世界では銃刀法みたいな感じでマイクの所持が免許制になってるんじゃないでしょうか。知らんけど。
各自治体の中で一番強い奴らを決める小競り合いはたぶん日常的にあって※想像です、それで勝ち抜いたチームがその自治体を代表して他自治体とラップバトルをし、勝ったら領土を貰える?みたいな…そんな感じ…たぶん。
で、いま東京近辺で大きな自治体(=ディヴィジョン)が渋谷・新宿・池袋・横浜。各3名で構成されたこの4チーム=12人が登場人物です。
自治体同士のラップバトルは、ハイクラス女性たちの見世物になっています。剣闘士みたいなもんだね。そのためにわざわざ先述の女性専用特区で行われます。横浜から行くのめんどいな。
現状で分かっている設定はこれだけです。あまりにもふんわりしている。鼻セレブもびっくりの柔らかさ。
「ラップの面白さを知って欲しいから世界観はそこまで重要じゃない」のか、「これからガンガン闇出して行くぜ~(まどマギみたいに)」なのかは分かりません。
私としては男の命のやり取りを見世物にする女尊男卑社会、なんて強めのアッパー打ち出して来たんだから、責任取ってしっかり闇深く掘り下げてほしいなと思っています。まあそしたら風呂敷畳むの大変になるだろうから、もし前者ならこれ以上はデリケートゾーンに触らない方がいいと思う。
閑話休題
私が感心したのは、キャラを使ってラップを打ち出す/ラップを使ってキャラを売る、の巧妙さ。
ラップってめーっちゃくちゃいっぱい喋るんですね。たいていの邦楽ポップスは一曲4分前後だと思います。ヒプノシスマイク(以後ヒプマイ)の楽曲も概ねそんな感じですが、歌詞の量が半端じゃない。これは楽曲が原作にもなります。
ラップの歌詞(リリック?)って押韻と言葉遊びで成り立ってることが多くて、クソ文系女としては漢詩と和歌のハイブリットだな、と思いました。掛詞も本歌取りもあるんだよ!
一口にラップと言っても、ストイックにリズムと押韻で構成された曲、コール&レスポンスがメインの曲、リズムに合わせて散文詩を読むような曲、ほぼポップスなんだけどよく聴くと押韻してる…みたいな曲など様々。原作ありきのキャラソンよりも、各段にそのキャラの思想哲学が濃く出るなと思いました。
現状出ているCDのうち、最初の4枚はまあ各チームごとのキャラ紹介みたいなもんです。1枚のCDにキャラのソロ曲が1曲ずつ+ボイスドラマが2トラック=5トラック構成。ボイスドラマは凄い短くて、あくまでも主役は楽曲(ドラマCD恥ずかしくて聴けないマンとしては大変嬉しかった)。曲を聞いてそのキャラの声、性格、生い立ち、信条等を把握した上で、「この3人はこんな風に出会ったよ」「この3人は集まるとこんな風に遊んだり喋ったりするよ」をボイスドラマで履修する。あまりに無駄がない。
最近出た2枚はいよいよラップバトルで、池袋チーム(Bastar bros)対横浜チーム(Mad Trigger Crew)、渋谷チーム(Fling Posse)対新宿チーム(麻天狼)です。こちらはお互いのチームを罵り合う6人合唱?曲・チームごとの曲×2・ドラマパート×2=5トラック。ラップのスタイルも多種多様なら敵チームへの攻撃の仕方も多彩で、ラップって色々あるんだなあ…面白いなあ…とキングレコードの思惑に乗せられている次第。
あとこの作品が受けた背景には、現代人の多忙さと疲れがあると思っています。そもそも声も滑舌も良い声優さんたちが大きな声で威勢のいいこと喚き散らすんです、無駄に元気が湧いてきます。また、この作品の原作は音楽。読む必要もプレイする時間も必要ありません。ドラマCDを通勤電車で掛けると気が散るでしょうが、音楽なら自転車漕ぎながらでも部屋片づけながらでも聴けます。ついでにCDが割と安い(2000円)。自動予約のアニメ録画やまとめ買いした漫画が溜まる一方のオタク、課金疲れのソシャゲプレイヤー等に刺さったのではないでしょうか。
キャラとしてはこいつが好きだけど、曲作りの趣味はこいつと合って、ライムの刻み方はこいつがいい、みたいな感じでお気に入りも複合的要素があります。わたしはとにかく滑舌とリズム感の良さを押し出してくるラップが好きなので、お気に入りは銃兎・帝統・二郎。一郎は…何か別次元だから…。キャラとしては理鶯が好きです。曲は独歩と一二三が好きです。お分かりでしょうか、この作品のキャラ名は難読です。
ただ一つ、このコンテンツの気に喰わない点を挙げるなら、それはアイドル産業でお馴染みの「投票権商売」であること。
ラップバトルCD(及び一部のグッズ)にはシリアルコードが付いていて、それで勝たせたいチームに投票できるんです。これで勝ったら(負けたら)どうなるのか具体的には分からないんですが、普通に考えて勝ったチーム同士で決勝のバトルCDが出るんでしょう。推しチームやキャラの出番を増やしたいがために、同じCD何枚も買ったり別に欲しくないグッズ大量に買ったりする人が沢山出ると容易に想像できますね。ここは明確にクソだと思います。
いま巷で話題の女尊男卑設定への問題提起、あれに関してはまだ私は早計だと思っているので(前述のように、このコンテンツが世界観をどういう風に扱うのかまだ判断できない)あまり考えていないのですが、投票権商売は本当にクソだと思います。
とはいえ女性向けコンテンツとラップの融合は本当に面白いので、興味を持たれた方はぜひ以下2曲を聞いてみてください(なぜか続けて再生されます)。12人がバトン渡しみたいに歌い繋いでいく曲(軽い自己紹介)と、チームごとに威勢のいいこと言っていく曲(軽いチーム紹介)です。
2018/07/25(水)
13:42
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