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偉大なる死
私の顔に掛かったプロシュート兄貴の血が乾かないんです
フィレンツェ行き超特急が走り去って行きましたね。いや、今週メローネが乗り込むわけですけど。早いな? 早いよ!!!!!
えっらい兄貴ペッシのこと撫で回すなぁ…とか、メローネの電話の相手リゾットじゃないのか! とか、アニメくんとの解釈の相違はありましたが、ブチャラティ対プロシュートの高速シーソーゲームをアニメで観れただけで感謝感謝です。
事切れた兄貴の遺体を前にして、いきなり携帯を探すんじゃなくて、いっかい枕元に膝をついてくれたブチャラティが、なんだか黙祷してくれているようで、あれはぐっと来ました。ありがとうアニメくん。
そんなわけでリゾプロ本とギアメロ本とメローネコピー誌出せたらいいなと思っています
どんなわけだよふざけんな
いや、前々から「5部の本出すならこれがラストチャンスかもしれん」というのは思ってたんですよ。
ジョジョは賞味期限があるような作品ではないので、いつでもオールジャンルイベントに出ればいいだけの話ですが、ド田舎ディビジョン民としてはせっかく都会に出るなら買い物もしたいわけでして…周りに5部サークルさんがたくさん居る状況は限られるじゃないですか。
むかし出そうとして時間がなくて出せなかったリゾプロ原稿の続きを書くなら今だな、というのがまずあって。
そのリゾプロ本っていうのが、プロシュート兄貴が暗殺チームに入ってからソルジェラが殺されるまでの数年間を追っかける感じの話なんです。
で、思うわけです。私リゾプロも好きだけどギアメロも好きなんだよな、と。ソルジェラが死んだ後の話は? と。
そんで更に思うわけです。暗殺チームみんな好きだし誰をお題に出されても暫く喋れる自信はあるけど、一番独自設定の妄想こね回して愛でたのはメローネだよなと。メローネといえば5部の敵で唯一死亡宣告をされていない(スタンド名○○ 本体○○ 死亡 ってやつ)キャラとして有名だよな、この辺いじんなくていいのか、と。
ね。去年の五月、三冊出して死ぬ思いしたのにね。
あのとき限界まで頑張ったのは「これでオフは終わり」っていう気持ちがあったからなのにね。
2019/01/30(水)
12:15
JOGIO
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ジョジョソン文化から見るジョジョオタクのメンタルの変遷
昨晩、「アニメから五部に入った人にぜひジョジョソン文化を知ってほしい」とツイートしたのだが、そう呟いた私自身が長らくジョジョソンから(というか生放送以外のニコ動から)遠ざかっていると思い至り、久しぶりにタグ検索してみた。
楽しかったし、いろいろ思うところも思い出したところもあったので書き留めておく。
そもそもジョジョソンとは何か。
「ジョジョの奇妙なソング集」のタグが付けられた動画、およびその動画で歌われている歌のこと、だと思う。
基本的には替え歌だ。既存曲の替え歌で勝手にキャラソンを作り、そのキャラっぽく寄せた声で歌い、動画投稿する。お分かり頂けるだろうか。この時点で動画投稿主は、作詞(そのキャラっぽい歌詞を考える文章二次創作)と歌唱(そのキャラっぽい声や歌い方をする歌声二次創作)の二足の草鞋を履いている。この時点ですごいが、芸達者な人は自分で背景の動画も作っていた。何者?
最初に投稿されたのはたぶんもう十年以上前で、確か涼宮ハルヒの憂鬱の主題歌の替え歌だった。その動画のあまりのインパクトに模倣というか悪乗りというかの動画投稿が相次ぎ、ついに一大ジャンルを築いたのだ。
言い方が大げさだと思われるかもしれない。だが全盛期にはニコ動のデイリー・ウィークリーランキングにジョジョソン作品が複数登場するようなことがあったんですよ。
文章を考えて自分で歌って動画も作る、これはもうもの凄い熱量だ。だからもちろん、クオリティは様々だ。
歌はめちゃくちゃ上手いのに動画は黒一色。歌はめちゃくちゃ上手いのに録音環境が質素。歌はめちゃくちゃ上手いけど女性に承太郎は/男性にジョリーンは無理があるよ。などなど。
だがそんなことどうだって良いのだ。ジョジョソンは動画の形をとった二次創作なのだから、熱意と愛情があれば良い。
…で、終わらないのが進化というものだろう。
ジャンルの拡大とともに、ジョジョソンは分業が進んでいく。つまり文章を考えるのが得意な人間が替え歌の作詞をし、動画編集が得意な人間が背景を作り、歌の上手な人間が歌って投稿する。
作品のクオリティは格段に上がり、おそらくこのあたりからジョジョソンの再生数が爆発的に上がり始めたんじゃないかと思う。
そして分業の波は歌そのものにも及んだ。黎明期には「何から何まで自分でやる」のが基本だったジョジョソンは、例えば護衛チームの曲を作った場合トリッシュからアバッキオまで全部一人で声色を変えて歌っていたのだ。これが狂気にならずしてなんとする。
それが、それぞれのキャラクターの声が得意な人間が、それぞれに音源を持ち寄って合体させる(合唱動画)ようになればどうだ。そんなんもう、上手いに決まっている。
ランキング入りしたような作品はこのタイプが多い。
しかしクオリティを追求するようになれば避けて通れない話題がある。人気だ。
先ほど私は「それぞれのキャラクターの声が得意な人間が」と書いた。だがジョジョソンが隆盛を誇っていたころ、声優が付くタイプのメディアミックスをされていたのは劇場版ファントムブラッドと3部OVA・格ゲーくらいのもので、つまりジョジョのキャラクターの九割九分は公式ボイスなんてなかった。「このキャラっぽい声」というのはジョジョソン視聴者の集団幻想に過ぎない。
では幻想の始まりは何なのか。だいたいの場合「そのキャラクターで最初にジョジョソンを作った人」もしくは「そのキャラクターのジョジョソン動画投稿主の中で一番人気がある人」となる。
そして一度「このキャラといえばこの人」のイメージが付いてしまうと、全く別の声色や歌い方でそのキャラを表現しようとした動画には「○○の方が上手い」といったコメントが付くことになった。
顕著なのが前述の合唱動画で、人気キャラをどの投稿主が歌ったかでコメント欄は荒れに荒れる。逆に、人気のある投稿主の持ちキャラ()の歌を他者が投稿する際には、キャプションでそれは涙ぐましい配慮が見え隠れしたものだった。
私にもとても好きな投稿主が居て、彼女の持ちキャラ()はメローネだった。そしてその頃ジョジョソン界では五部の女性人気が凄まじく、投稿主も視聴者も女性の割合が他部に比べて格段に多かった。
趣味でバンドをやっていた? 地下アイドル的な活動をしていた? 彼女はもの凄く歌が上手く声域も幅広かったので、動画を投稿すればあっという間に再生数が跳ね上がる。
おそらく古参の男性ファンは、自分たちの居場所を新参者の女たちに侵略されているようで不愉快だったのだと思う。勿論、他の投稿者のメローネの方が好きだ、という人たちの悪意もあったろう。
彼女の動画はコメント欄もタグも見るに堪えない惨状だった。当時大学生だった私は、暇さえあれば彼女の動画を巡回し、酷いタグを削除し正しいタグを付け直す、という作業を延々と続けていた。
まあ、気分は荒むよね。
不毛な作業をしながら私は考えた。私はジョジョソンの何が好きなのか、どんなジョジョソンが好きなのか、なぜジョジョソンが好きなのか。
導いた結論はつまり「完全に独りぼっち」の精神だった。
黎明期にジョジョソンを投稿していた人たちには、一緒にジョジョソンを作る仲間なんて居なかった。だから作詞歌唱動画編集その全てを自分でやった。猫草からダイアーさんまで自分一人で歌い上げた。その結果出来た動画はけして上手ではなかったとしても、むせかえるほどの熱意があった。
分業した結果クオリティは上がり、ジャンル外の人にさえ楽しんで見てもらえる作品が多く世に出た。しかし、その動画に対する責任感というか、俺は・私はこのキャラはこんなことを考えてこんな声でこんな歌を歌うと思うんです聞いてください、という訴求力のようなものは黎明期のそれに劣るのではないか。
「クオリティ」や「人気」の概念がなかったころ、ジョジョソンは完全に熱意とアイデアが勝負だった。自分の好きなキャラに偏愛を注ぎまくったり、はたまた一発ギャグの勢いで最後まで突っ切る力業であったり。たぶん私はあの頃の、オタクの隠し芸大会のようなノリを愛していたんだと思う。
私は合唱動画も好きだ。音源落としてスマホに入れて聴いてるくらい好きだ。でもジョジョソンのトレンドが「一人で全部を作り上げる」タイプから「得意分野を持ち寄って合作する」にシフトしていき、その結果合唱企画動画のクオリティと比較されることになった完全個人制作の動画が徐々に姿を消していくのは寂しかった。
しかしこれも時代というものなのかもしれない、と私は思った。オタクも積極的に交流して協力して、高みを目指すのが当たり前になったということだろうと。
長々と語ったが、同人誌を作るタイプのオタクにはこれで説明が付くと思う…単に私は「フルカラーの商業アンソロもいいけど個人サークルのコピ本の手作り感が好きなんだよね」というだけなのだ。
そんなこんなで徐々にジョジョソンから足が遠のいた私だが、久しぶりに検索をしてみて驚いた。
曲をUTAUが歌い、動画ではMMDが踊っている!!!!!
個人制作から集団分業へシフトしたジョジョソンは、ついに人間不在になったのだった。あ、いや不在ではない。たぶん音声データ作ってる人とMMD作ってる人は別だし。いや、でも、さ!!!!!
私の胸に去来するのは、お隣さんに配慮した結果優しく小声で歌われることになった花京院ソングや、「理想のリゾットの声に近づけるためあえて酒で喉を焼きました」と語る女性投稿主のキャプションなどだった。
普段から自分のことを老いただの老人だの言っているが、こんなにもまざまざと自分の「旧世代感」を思い知らされることになるとは思わなかった、そんな2019年の始まりである。
2019/01/24(木)
21:45
JOGIO
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Vico Pallonetto Santa Chiara, 8
暗殺チームが生きてました
暗殺チームが生きてましたよ 生命活動 確かな脈動 アッ韻踏んじゃった
いやね、原作の余白を埋めていくアニメ君のやり方は知ってましたし、アバッキオの過去回想では重要な設定の追加というか盛りというかもあったし、そういう福利厚生充実させていく姿勢? みたいなのは分かってました けども
まさかね、暗殺チームの演出をああいう風に変えてくるとは
彼らは基本的に単独行動というか、一人ずつ追ってくる刺客じゃないですか原作では。だから「暗殺チーム」という肩書は提示されていても、彼ら全員をチーム単位で認識するって、オタク的な読み方をしないと自然にはならないと思うんですよね。
それもまた、主人公視点で展開していく物語の妙というか。返り討ちにしていった敵の一人一人にも物語があったんだろうなあ(自分には分からないけれど)みたいな無常感で良しなんですが。
まさかの初手から全部出し。
数多の暗殺チーム好きが、「原作では描かれていないから」自らの脳味噌でこねくり回し自らの手で生み出した「連帯する仲間としての暗殺チーム」を。
アニメ君が。電波に乗せて。
数多の腐女子が「こんなの暗殺っていう生業を考えたらご都合主義すぎる設定だ」「でも萌えるから書いちゃえ」ってやって、やり続けて、みんなやって、その結果「暗殺チームあるある」になった設定の数々。
アジトに集合する暗殺チーム
(どうしてわざわざ顔を合わせるの? 仲良しなの?)
複数人で仕事をする暗殺チーム
(連携できるようなスタンドじゃないでしょみんな? なんでわざわざ担当者以外も現場に居るの? 仲良しなの?)
仕事の後で余暇を共にする暗殺チーム
(仲良しなの???)
ソルジェラの葬式を上げる暗殺チーム
(アウトサイダーの自覚は?????)
ホルマジオの能力を「くだらねー」と笑うイルーゾォ
(みんなそうだと思ってた)
周囲に性癖をドン引かれるメローネ
(みんなそうだと思ってた)
生活態度を兄貴に注意されるペッシ
(みんなそうだと思ってた)
“そういうもん”としてチームに受け入れられているソルジェラ
(みんなそうだと思ってた)
仲が良いメローネとギアッチョ
(みんなそうだと思ってた)
ソルベを処刑したのはチョコ先生
(みんなそうだと思ってた)
あまりにも「暗殺チームに対する集合知」というか、「みんなそうだと思ったからみんながそう書いた結果あたかも原作に書いてあるかのような安定感を持ってしまった妄想設定」の数々を音声付の動画でお見せされてしまって、もう私、逆にアニメ君を準公式として見れない。アニメ君は準公式コンテンツじゃない。超王手サークル。
大手サークルアニメ君、ちゃんと独自設定も出していて
・お金にがめついソルベ
・お揃いのペディキュアしているソルジェラ
・私物か支給品かは分からないけれどノーパソを使うメローネ・イルーゾォ・兄貴
・割とシックな内装の暗殺チームアジト
・アジトの住所はVico Pallonetto Santa Chiara, 8
・打ち合わせの時に座る席はおそらく固定
←奥 入口→
ギアッチョ メローネ ホルマジオ
リゾット ソルジェラ
イルーゾォ プロシュート ペッシ
・ソルジェラは普段から一人掛けのソファに二人で座る
もういい、もう分かった、超大手動画サークルアニメ君、暗殺チーム箱推しでカプはソルジェラメインなんだね、分かるとも
この分だとギアメロかメロギアかもしくは二人のブロマンスも守備範囲なんだろ、分かるってもう
は~~~~~~~~~~~~~~
2018/12/09(日)
14:11
JOGIO
PERMALINK
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彼のベイビィ
ジョジョ5部アニメのジャパンプレミアから一夜明けましておめでとうございます。
来週から放映が始まるような心境なのに10月って何月のことなんでしょうね。
あのクソ格好いいPVを無限に観て気をまぎらわしたいので、早く公式で出して欲しいと思います。
声優さんからも製作陣からも、プロシュート兄貴とフィレンツェ行き超特急の話題が出て驚きました。
敵サイドにも物語がある、全エピソードをアニメ化する、との言葉もありましたし、きっと暗殺チームや親衛隊にも相応の熱量を掛けてくれるのだと期待しています。
私的には(人気があるからといって)敵サイドのエピソードを増やすオリジナルストーリーの挿入などはせず、ただ原作にあることをそのままなぞって貰えれば大感謝です。
ところで、ノーカットということはソルベのカットは額装されるしメローネの強制猥褻婦女暴行もノーカットなんですよね。ド深夜でお願いしたいですね。あまり世間に気を使いたくないですね。
メローネのベイビィ・フェイスはいつ何時でも誰かと語り合い意見を交換し知見を高めたいと私が望むスタンド上位三体に入ります。あと二体はグレフルか…スティッキィか…その時の気分でころころ変わるな
五部のスタンドは解釈が難しいのが多いですね。
ギャグ二次創作だと変態枠、えっちな奴だと媚薬調達係とエロ方面の便利屋になり易いメローネですが、私的に彼ってそこまで変態じゃないんですよね。私は正気だ。話を聞いてくれ。
メローネが変態扱いされる所以って、全ては彼のスタンド能力の都合によるものであって、彼の性格に由来するものじゃないと思うんですよ。
たぶん
・若い女へ出会い頭に健康状態を聞いてくる
・〃にビンタされて大喜び
・→ついでに自分をビンタした指を舐める
・〃に好みのキスの作法を示させる(ジャンプ掲載時は好みの体位でした)
からの
・スタンドに若い女をレイプさせてスタンドの子を孕ませる
で文句なし極めつけの変態扱いなんですよね。
とりあえず、ここまで性的な方面に全振りしたスタンド能力は唯一無二だと思います。それは間違いない。で、このセクシャルなスタンドはメローネの精神の具現化であることも間違いない。でも、性と生とセックスに直結するスタンド能力だからと言って、メローネがそれを好んでいると考えるのは早計ではないか? パンナコッタ・フーゴさんみたいな例もありますよね?
私がそんな風に穿って見たくなる原因は、女から個人情報が齎されそうになったとき、かなり過敏に反応してそれを拒否したことです。
もしもメローネがエロくて女好きな変態キャラなら(ストレートに考えると、高飛車な女が化け物に犯されて人外の子を産むところを見ると興奮する、みたいな)、エロい目で見ている対象とは長く接したいと思うだろうし、そこに付加価値が付くことを喜ぶと思うんです。
せっかく「私の一族が黙ってない」とか「政財界にも顔が効く」とか自分から喋ろうとしてるんだから、最後まで聞いて「こんな思い上がったクソ女を俺のスタンドで妊婦にしてやるぜ~」って思った方が楽しいじゃないですか。
それなのにメローネ、自分の問いへの答え以外は何も求めないんですよね。わざわざ遮って「そういうのは必要ない」って言っちゃう。
ビンタされて喜んだのも女に殴られて興奮したわけじゃなく、「手首や腰の力の籠め方と反射能力」から健康状態を測り「躊躇なく他人を傷つけられる暴力性」からその性格にも満足して喜んだんですよね。指を舐めたのも血液型を当てるためだったし。
好きな体位を聞いたときに至っては、「立派な子どもを産むため」に「重要なのは君の好みだ」と言った上で「早く決めてくれ、次に進めない」と急かす。
要するにメローネの変態っぽい行動って、全部より良いベイビィを作るための必要条件であって、彼の性欲に結びついていないように見えるんです。事務的というか、彼にはこの「子作り」の過程を楽しむ気が無い。
私の勝手な妄想ってわけじゃないと思うんですよね~。ベイビィ・フェイスというスタンドは
①ターゲットの血を取り込んだ「親機」にターゲットと相性の悪い女を犯させる
②女に産ませた「子機」に女(母親)を喰わせ成長させる
③「子機」に死の概念と殺害方法を教育する
の三段階を経てようやくターゲットの追跡と殺害が可能になる非常にめんどくさい奴ですが、準備が面倒なスタンドほど条件が満たされたときの無敵っぷりも凄いという例にもれず、非常に強力なスタンドです。
(余談ですが、ベイビィのパラメータ評価は合計するとホワイトアルバムに次いで暗殺チームの二番手。彼らのスタンドは主人公チームに居てもおかしくない優秀さです)
で、メローネのことを考えるにあたって問題になるのが、彼が力を入れている?感情を動かしている?のが、①ではなく③のステップだってことなわけです。
産まれたベイビィとのやりとりや、ベイビィを育てる過程ではかなり彼の感情が表現されています。また、教育の時にはメローネがいつもの悪役然とした表情ではない、真顔?素の顔?を見せています。情操教育のためにわざわざ絵本を使用するような、手間を掛ける遊び心もあります。そして、ベイビィとの会話はメローネ学(いま作った)上の非常に重要な示唆も与えてくれます。それが
――お母さんが僕のこと くさいと言っている
――汚らわしく て 気持ち悪い と ののしっている
「ああ、そうらしいな。で、お前はそんな彼女のこと どう思う?」
――なんて いいお母さんだ!
「良しッ!」「良く学習しているぞッ!」
この流れ。また、このあと予想以上に早く成長したベイビィが、制止を聞かず母親を食い殺したときは「いい母親すぎた」「あの女、『殺す』って意志を真っ先に教えてくれたのはいいが早すぎた」と嘆いています。
スタンドは精神力の具現です。ベイビィ・フェイスにはメローネの思想や哲学、記憶、経験が反映されているはずです。
ここまでで分かった、ベイビィの母親として望ましい資質は「父親と相性が悪い」「気性が荒く攻撃的」「酒、煙草、ドラッグ等を常用している」「自分の子どもを口汚く罵る」「幼い子どもに殺意を教える」。そしてそんな母親を「なんて良いお母さんだ」と慕うベイビィは、才能に恵まれよく成長しているモデルなんですね。
…安易に「これメローネの母親なんじゃねえの」と、「自分の母親の再現率が高くなればなるほど強いベイビィ(メローネのアバター)が生まれるんじゃねえの」と、決めつけて終わりたくなってしまう気持ちをぐっと堪えましてもう少し考えます。
思うにベイビィ・フェイスというスタンドを要約するときに、どう取捨選択するかでメローネの捉え方も変わるんです。
先述の3ステップのうち前半部分に重点を置いた場合、「女を犯し孕ませ産ませ食わせる/男女の関係/セックス」がメインになると思います。でも後半を取ったら「子どもを育て父親を探させ殺させる/親子の関係/教育」がメインになるんじゃないでしょうか。私には、メローネがより情熱を注いでいるのが後半の手順に見えるので、私にとってベイビィ・フェイスは後者のスタンドです。
そうすると、子育て・教育を行うための手段として義務的に男女の肉体関係を消化することになるので、私の中のメローネは逆にセックスに執着しません。彼にとって自分のスタンドに女を犯させるのは、より商品価値の高い子孫を産ませるために乳牛や競走馬を交配する感覚ですし、そもそもスタンドによる性行為は「ターゲットの遺伝情報をベイビィに組み込む」手段以上の物ではありません。
スタンドを精神力の具現=もうひとりの自分、として考えを進めた場合、つまりメローネは親であり子でもあるわけです。ベイビィが「良いお母さん」と慕う女はメローネにとっても理想の母。これが先ほどの「理想の母体はメローネの母親説」を推す非常~に薄い根拠です。
自分の母親に似た女から産まれた子どもがもうひとりの自分である、というのはもはや当たり前じゃないでしょうかね! つまりメローネはスタンドを通して自らを産み直し、育て直していると言えます。私的にエモい()のは、「理想的なベイビィはいつかメローネ自身の言うことを聞かなくなる」ということ。(メローネの理想とする)良い子に産まれ、(メローネの理想とする)良い子に育つと、メローネを嫌いその手を離れてしまうんです。
私はそこまで含めてメローネの願望なんだと思っています。つまり迂遠な自己否定ですね。自分に似たベイビィこそが強いスタンドに育つはずなのに、自分の思い通りに動いてくれない。きちんと指示を聞くベイビィは、恐らく思考力も攻撃力も弱いんでしょう。強いベイビィの自滅を見るたび、そして従順なベイビィをデリートするたび(ベイビィはターゲットに合わせた特注生産なので、たとえ生きて仕事を終えたとしても生かしておく意味が無いと思う)、メローネは何を思うのか。
そういうことを考えているときが一番、メローネという男の深淵を覗き込む気分になります。
ここに「父親」の要素を加えてしまうともう考えることが多くなり過ぎてわやですね。ベイビィは教育される前から、つまり生存本能として「ターゲット(父親)を見付ける」機能を持っています。「父親を殺す」機能は教育による後付けなので、メローネの性格や精神を考える要素になる得るのは前者ですね。「母親を喰って成長し、父親を探す子ども」。メローネ本当に…お前は何なんだ…。
何の考察もせずスタンドを見たままに言うと、シャブ中の母親が行きずりの相手との間に作った子として産まれ、両親は気が合わないのであっという間に破局、顔すら覚える前に父親は失踪、日常的に母親からの暴言と暴力に晒されながらも母親を慕い続けた子ども時代、成長して母親の稼ぎを盗む・もしくは薬をやりすぎてラリパッパになった母親を売るなどして得た金で家を飛び出し父親を探し、流れ流れてギャングの殺し屋に…っていう感じなんですけど、スタンドから得られる情報だけでこれだけのストーリー性が生まれるんですよメローネって男は。
ここまで性と生のカルマを鍋で煮凝りにしたようなスタンド(とキャラクター)はそうそう居ないと思うんですが、更にですよ。上の「スタンドからめっちゃ短絡的に考えたメローネ半生」のアウトラインをふんわりなぞるようなキャラクターが居るんですよ。偶然にもそのキャラクターのスタンドは「生命を産み出す」で、これまたふんわり似通ってるんですね。誰だろうなこれ~
第五部主人公、ジョルノ・ジョバァーナ氏です。
2018/07/07(土)
17:02
JOGIO
PERMALINK
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そして金色の風が吹く
――運命に立ち向かっていく人は、そういう感じにしたいんですよ。ジョルノってディオの子供で、言ってしまえば、忌まわしい生まれなんです。他の登場人物よりも、生きている悲しみが、生まれた時から上乗せされているというか。
――だけど、だからこそ、目指す。悪の世界でのし上がって黒を白に浄化しようという、そういうことなんですよ。
(クイックジャパン75号、荒木先生インタビューより引用)
ジ ョ ジ ョ 5 部 ア ニ メ 化
ハレルヤコーラスを聞きながらこれを書いています。そういえば5部が来たってことは6部の可能性も出て来たわけですね。いやプッチは置いといて
ジョジョ5部です。それまでも随所に神話や聖書の影響が垣間見られたジョジョですが、ここに来てギャギャギャっとキリスト教方面にハンドルを切った感のあるGIOGIO Parte5 VENTO AUREO。
ジョジョのサブタイトルは基本的にJOJO'S BIZARRE ADVENTUREですが、第五部に限ってはLE BIZZARRE AVVENTURE DI GIOGIOと表記されます。(JOJOはイタリア語の発音だとヨォヨォになってしまうらしい。)省略形もGIOGIO。舞台がイタリアで主人公もイタリア語を喋るイタリア人だからです。なので5部を語るときにJOJO表記をするとジョジョ警察(居るのか?)を付け上がらせますよ。そのため二次創作界隈では、省略形で全ての部をカバーするために「JOGIO」という造語が生まれました。明日役立つ豆知識です。
違うこんなことが書きたいんじゃない
冒頭の荒木先生のコメントで、刺さる人にはもうブッ刺さっていると思います。
この部の主人公であるジョルノは、ジョナサンの体を奪ったディオ、つまりDIOの子どもです。ジョジョ世界屈指にして最大・最強の悪のカリスマであるDIOの血を引いています。
でも首から下がジョナサンなんだからほぼノーカンじゃない? ジョースターの首の痣あるし、そもそもジョジョの主人公だし。そう思われる向きも多いでしょうが、彼の容姿はほぼDIOですし、何かと言うと「無駄」と口にし、非常に合理的で冷静な判断をするキャラクターです。「目的のためには手段を選ばない」というディオ/DIOの特徴(特長かもしれない)をしっかり受け継いでいます。
しかし彼はジョナサンの息子でもあります。ジョジョ神話の始祖たるジョナサンの、善を為すため正義を求める心を持っている。自らの望みのために弱者や何も知らない人間を利用することに対して、義憤とも言うべき憎しみを抱いている。彼が暮らすネアポリス(ナポリ)の町には麻薬が蔓延っていて、無知な少年を食い物にして私腹を肥やすギャングがのさばっていた。その支配は社会制度やインフラにまで及んでおり、ギャングの存在は生活の一部になっている。
こんな時、ジョナサンなら警察官になったかもしれない。たとえちっぽけな独りの力でも、巨悪に立ち向かって行こうとしたかもしれない。でもジョルノは違う。彼はDIOから「目的のためには手段を選ばない」性質を与えられています。その結果…
“こうして「ジョルノ・ジョバァーナ」は、『ギャング・スター』にあこがれるようになったのだ!”
ギャングを一斉摘発しても、次のギャングに支配されるだけでしょう。第一この街は長年ギャングと共生しており、急にギャングの存在から脱却することはできません。おそらく社会が大混乱に陥ります。だからジョルノは自らがギャングになり、組織の中でのし上がり、自分がボスになりギャング組織の舵取りをすることで、麻薬の浄化と弱者を支配する構造からの脱却を目指したんですね。
どうよこの「覚悟」と「割り切り」。
正義の魂を持った善の人でありながら、目的を達成するためなら憎むべき悪にもなれる。これがジョルノの強さであり怖さです。私はジョルノのことを考えるたびに「ジョナサンとディオの血を引く」という設定の妙を思います。ジョナサンの理想をディオの手段で叶える、とでも言うようなハイブリット。この方お幾つだと思います? 15歳。中3です。
しかしDIOの血を引くことは良い面ばかりではありません。冒頭のインタビューにもあるように、彼は他部の主人公たちには無い陰を生まれながらに背負っています。もうこれは「原罪」のモチーフと断言しても良い。なにせDIOはイタリア語(ラテン語)で「神」を意味する言葉です。「神の子」として傑出した能力を持つジョルノは、同時に「父殺しの子」という烙印を知らず押されて生まれてきました。余談ですがジョナサンとディオが主人公を務める第一部は『エデンの東』を意識していたと…美術手帖の対談だっけ…後で確認します…で先生が仰っていました。そりゃジョルノの愛読書も『レ・ミゼラブル』になるというものです。根本的に設定が重いんです。
母から愛されず義父に虐待されて育ったジョルノは、間違いなくジョースター家よりディオとの方が共通項が多い。DIOの血統であるというのは勿論ですが、普通に生活環境が彼の物の考え方や世界観を形作った結果とも言えるでしょう。ジョルノはよく他部の主人公に比べて「人間味が薄い」「感情移入できない」「クール過ぎて腹黒っぽい」などと言われます。分かる。よく分かる。でも自分の本心を隠し感情を抑える彼の振る舞いは、彼の背負った物と育った環境の当然の帰結と私には思えます。逆にこの設定のキャラクターが仗助みたいに懐っこかったりジョリーンみたいな激情家だったりしたら、途端に原罪が軽くなりませんか? それにさ…
ジョルノ様は罪を背負っても神の子なんですよ。
主人公(世界の枠組み)さえ殺し、不老不死を手に入れて、1部から6部まで絶え間なく物語に影響を及ぼしたDIOは、間違いなくジョジョ世界の神です。それと同時に、ジョジョ神話の発端であり、後の子孫へ受け継ぐ魂の資産ともいうべき正義の心と精神力を生み出したジョナサンもまた、創世記の神と言えるでしょう。善悪二柱の神の血を受け継いだジョルノ様が、日々のシノギや目先の金や麻薬のために若い命を次々に散らす、この世のどん詰まりのようなギャングの抗争に投げ込まれたんです。そりゃちょっと存在感が異次元でもしょうがないんじゃないでしょうか。
既得権益やら癒着やら汚職やら、そういう日々の沼に腰までずっぽり嵌ってもがいているギャングたちの世界に、痛みと理想を胸に抱いたジョルノ様が降り立った。そこから始まる5部の物語は、たった一週間の話です。でもそのたった一週間の間に、大勢の人間が死に、組織は生まれ変わり、街の景色は変わります。ジョルノ様はどん底の沼に容赦なく照り付ける太陽であり、淀んだ空気を一掃するつむじ風でもありました。ジョルノ様という存在が通り過ぎるところで人々は殺し合い、正しい人のみが生き残る。ジョルノ様は「そこに在る」というだけで人の運命を加速させる。私の言いたいことが伝わっているでしょうか。
ジョルノ様はミケランジェロのダビデ像をモデルとして造形されたキャラクターです(これは先生が様々な場面で仰っています)。神託を受けてイスラエルの王となり、巨悪を倒した美少年です。
最終局面、矢を受け取ったジョルノ様の変貌…進化…いや、あれは神の本性を顕わにされた、というのが正しいでしょう。正直あの状態のジョルノ様と肩を並べられるのは彼の父親たちしか居ないと思います。それまでが味方のサポートに回ることが多く、一歩引いた印象の多いジョルノ様だからこそ為せる「凄味」。彼は神の子であり王である、ということをまざまざと見せつけられます。その理解を抱いたまま読者は最終ページに至る。ジョルノ様に感情移入できないとか当たり前なんです。私たちはただ見届ければ良いんです。
一気に書き過ぎて頭が息切れしてきました。
・ジョジョ5部アニメ化オメメタァ
・5部の主人公は1部の主人公たちの血を引いているよ。親の面影が見どころだよ。
・いっぱいキャラクター出てくるけどいっぱい死ぬよ。ギャングの内部抗争の話だから当たり前だね。
・主人公のことは群像劇にトリックスターとして登場した神様だと思って、若い男たちの生き様と決断と死に様に心を震わせるのが私のお薦めの読み方です。死んだ男たちの意志は、最後に神様が引き受けてくれますから。
2018/06/23(土)
09:46
JOGIO
PERMALINK
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暗いところで待ち合わせ
ジョジョで自分が書いたものを読み返しているんですが、私の承花って「おっすオラfateではギルエルだ」って感じが凄いですね、ギルエルで言いたいのと同じことを言い回し変えて言ってる感じが凄い。人の心を理解しない完全無欠のスーパーヒーローが初めて手に入れた相棒にして理解者を喪って老いる過程とかそういえばキッズの頃から好きだったんだなあ。狭い世界で育った自我があやふやな不定形生物がたった一人の相棒にして理解者のために命を捨てることでヒーローの後半生を決定づけるとか。
そう意識して読むと私の承花ってジェネリックギルエルになり得るな(妙な気付き)
ハロウィンに混部の不穏ファンタジーを書いたことが三回?あるんですが、孤立無援で異世界に飛ばされて右も左も分からないときに出会いたいキャラとしてシーザーと花京院を信頼しすぎだと思った、私は。
ていうか混部=死にキャラ大集合ばっか書いてるから逆に主人公たちをあまり書いてない感じがする…。ジョナディオとか…ジョナディオとか…。裏主人公としてディオ科も大好きなんだよなあ。
ジョルノはジョナサンの悪いところとディオの良いところのハイブリッドだ(ジョルノ1:9、はるの9:1)みたいな拘りも書けてないしそういえばミスジョル一回も書いたことが無いしダメだこりゃ
FGOはあと5つくらいで書きたい話を書き終わるので、そうしたらまたジョジョに里帰りしようと思います。
2017/12/04(月)
20:50
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